【内視鏡専門医Q&A】お酒・肉・運動不足…大腸がんのリスクを上げる習慣・下げる習慣を専門医が正直に解説します|仙台駅の消化器内科・胃カメラ・大腸カメラ|せんだい駅前 消化器IBDクリニック

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【内視鏡専門医Q&A】お酒・肉・運動不足…大腸がんのリスクを上げる習慣・下げる習慣を専門医が正直に解説します

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2026年5月26日

【内視鏡専門医Q&A】お酒・肉・運動不足…大腸がんのリスクを上げる習慣・下げる習慣を専門医が正直に解説します

こんにちは。仙台駅前で消化器内視鏡と炎症性腸疾患(IBD)の専門診療を行っている「せんだい駅前 消化器IBDクリニック」院長の志賀 永嗣です。当院は、プライバシーに配慮した個室を多数ご用意し、リラックスして受診いただけるような環境を整えています。

さて、今日のテーマは「大腸がんと生活習慣」についてです。

大腸がんは今や、男性の罹患数・死亡数で第2位、女性では罹患数が第2位で死亡数が第1位という、とても身近な病気です(過去記事:「便潜血で再検査?「たぶん痔だろう」が一番危ない理由」もご覧ください)。そしてこの大腸がん、実は「防ぐためにできることがたくさんある」がんでもあります。

「何に気をつければ良いの?」という疑問に、世界と日本のエビデンス(科学的根拠)をもとにお答えします。

1. 大腸がんのリスクを「確実に」上げるもの

まず、証拠のレベルが最も高い「確実なリスクになること」から見ていきましょう。

飲酒(お酒)

飲酒は、世界的に大腸がんリスクを「確実に」上げると評価されています。しかも、日本人は欧米人と比べて厄介な特徴があります。欧米人では飲酒量がある程度増えてきて初めてリスクが上がるのに対し、日本人は飲酒量が少ない場合でもリスクが上昇するという研究データが報告されています。

つまり、「ちょっとくらいなら大丈夫」とは言い切れないのが、日本人とアルコールの関係なのです。

「健康日本21」では純アルコール20g(ビール500ml缶1本・日本酒1合・ワイングラス2杯弱に相当)を「節度ある適度な飲酒量」としています。しかし、大腸がんのリスクという観点では、この量でも「ゼロリスクではない」と考えていただくのが正確です。

加工肉・赤身肉

ハム・ソーセージ・ベーコンなどの「加工肉(かこうにく)」は、大腸がんのリスクを確実に上げると評価されています。また牛肉・豚肉・羊肉などの「赤身肉(あかみにく)」も、リスクを上げる可能性が高いとされています。

これは、加工・保存の過程で生じる亜硝酸塩(あしょうさんえん)や、肉を焼いたときに生じるヘテロサイクリックアミンという物質が、腸の粘膜を傷つけることが一因と考えられています。

肥満

体重が増えることで腸内の炎症が慢性的に続き、がんが発生しやすい環境が整ってしまいます。特に内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)の方は、リスクが高いと言われています。

2. 大腸がんのリスクを「確実に」下げるもの

逆に、「確実にリスクを下げる」とされているのが運動です。

身体活動(運動)

定期的な運動は、大腸がんのリスクを確実に下げます。これには、腸の動きを促進すること、体内の炎症を抑えること、インスリン(血糖を調節するホルモン)の働きを改善することなど、複数の仕組みが絡み合っていると考えられています。

激しい運動でなくとも、ウォーキングや自転車通勤といった「日常の中での活動量を増やすこと」が効果的だというデータもあります。「まず1駅分歩く」という小さな一歩でも、続けることに意味があります。

3. リスクを「おそらく」下げるもの

確実とまでは言えないものの、「複数の研究でリスク低下が示されている」ものもあります。

食物繊維・全粒穀類(ぜんりゅうこくるい)

野菜・豆類・玄米・全粒粉パンなどに含まれる食物繊維(しょくもつせんい)は、大腸がんのリスクを下げる可能性が高いとされています。食物繊維が腸内細菌のエサになり、腸を守る物質(短鎖脂肪酸:たんさしぼうさん)が産生されることが、その仕組みの一つです。

乳製品・カルシウム

牛乳・ヨーグルトなどの乳製品やカルシウムも、リスク低下との関連が示されています。

魚・不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)

サバ・イワシ・サンマなどに多く含まれるEPA・DHAといったオメガ3系脂肪酸も、リスクを下げる可能性があります。

4. IBD患者さんも生活習慣を見直そう

潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)やクローン病の患者さんは、慢性的な腸の炎症があるため、一般の方と比べて大腸がんのリスクがもともと高い状態にあります(過去記事:「大腸カメラを定期的に受ける本当の理由:炎症を「ゼロ」にして将来のがんを防ぐ」も合わせてご覧ください)。

だからこそ、飲酒を控える・加工肉を減らす・適度に体を動かすといった生活習慣の見直しは、IBD患者さんにとっても重要な意味を持ちます。治療によって腸の炎症を抑えることと、(続けやすい無理のない範囲で)生活習慣を整えることは、車の両輪です。

5. まとめ:「やめる」よりも「続ける」を大切に

大腸がんのリスクを下げるため、何か一つだけやるとしたら何でしょうか。

専門医の立場から申し上げると、「まず運動を始めること」をお勧めします。運動は大腸がんリスクを下げるだけでなく、肥満の解消にも、腸の動きの改善にも、そしてストレス発散にも役立ちます。加えて、飲酒を「毎日から週3日に」「缶ビール1本から半分に」と少し減らすだけでも、積み重なると大きな違いになります。

「完璧にやめなければ意味がない」ではなく、「少しずつ続けられる形で」が大切です。

当院では、大腸がんの早期発見のための大腸カメラ検査も行っています。「生活習慣も気になるし、一度検査も受けてみたい」という方は、お気軽にご相談ください。

引用文献

1. 国立がん研究センター 最新がん統計
2. 溝上哲也. 生活習慣と大腸がん. 日本消化器病学会雑誌. 2020;117(5):394-401.
3. Wolin KY, Yan Y, et al. Physical activity and colon cancer prevention: a meta-analysis. Br J Cancer. 2009;100(4):611-6.
4. Bouvard V, Loomis D, et al; International Agency for Research on Cancer Monograph Working Group. Carcinogenicity of consumption of red and processed meat. Lancet Oncol. 2015;16(16):1599-600.

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