2025年12月08日
こんにちは。仙台駅前にある「せんだい駅前 消化器IBDクリニック」院長の志賀 永嗣です。
当院は、お腹の悩みを持つ患者さんが、カフェに立ち寄るような感覚でリラックスして受診できるように、ゆったりとした個室での診療を基本としています。
さて、今回のテーマは「大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)」についてです。
「痛そう」「恥ずかしい」「下剤を飲むのが大変そう」……。
そんなイメージから、検査を敬遠されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、大腸カメラ検査は、大腸がんの予防や早期発見、そしてお腹の不調の原因を突き止めるために、最も確実で強力な武器となります。今日は、なぜ今、あなたが大腸カメラ検査を受けるべきなのか、その理由を3つのポイントでお話しします。
1. 宮城県は大腸がんになる人が多い?
まず、私たちの住む宮城県の現状についてお話ししましょう。
最新のデータによると、宮城県における大腸がんの罹患数(がんにかかる人の数)は、男女ともに増加傾向にあります。特に男性では、部位別のがん罹患数で大腸がんが最も多くなっています(女性でも、乳がんに次いで2番目に多くなっています)。全国と比較しても、宮城県は大腸がんによる年齢調整罹患率(年齢構成が同じになるように調整して比較したもの)が高めの傾向にあり、決して他人事ではありません。
大腸がんは、早期の段階では自覚症状がありません。「血便が出た」「お腹が痛い」といった症状が出てからでは、すでに進行してしまっていることも少なくないのです。逆に言えば、症状がないうちに検診や大腸カメラ検査で見つけることができれば、より早期の段階で発見でき、完治できる可能性が非常に高い病気でもあります。
2. 「ポリープ切除」が将来のがんを防ぐ
大腸がんは、最初から「がん」として発生するものもありますが、多くは良性の「ポリープ(腺腫:せんしゅ)」が大きくなる過程でがん化して発生します。つまり、がんになる前の「ポリープ」の段階で発見し、その場で切除してしまえば、将来の大腸がんを予防することができるのです。
実際に、内視鏡でポリープを切除することで、大腸がんによる死亡率が53%も減少したという報告もあります。バリウム検査やCT検査では、ポリープを見つけることはできても、その場で切除することはできません。「検査」と「治療(予防)」を同時に行えるのが、大腸カメラ検査の最大のメリットです。
当院では、大学病院で数多くの早期がん治療を行ってきた経験豊富な医師が検査を行います。小さなポリープであればその場で切除し、日帰りで治療を完了させることが可能です。
3. 「がん」以外の病気も見逃さない!IBD診断の重要性
大腸カメラ検査の役割は、がんを見つけることだけではありません。最近、若い方を中心に増えている「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」といった炎症性腸疾患(IBD)の診断にも不可欠です。
長引く下痢や腹痛、血便などの症状がある場合、それが「細菌やウイルスによる腸炎」なのか、難病指定されている「IBD」なのかを見極める必要があります。大腸カメラ検査で直接粘膜の状態を観察し、組織を採取して顕微鏡で調べる(生検:せいけん)も行ないます。
当院では、長年IBDの診療に携わってきた医師が、微細な炎症も見逃さず、適切な診断・治療へと繋げることができます。IBDは早期に適切な治療を開始することで、普通の生活を送ることができますが、診断が遅れると重症化してしまうこともあります。
4. まとめ:怖がらなくても大丈夫です
「検査が必要なのはわかったけど、やっぱり怖い…」
そう思うのは当然です。だからこそ当院では、患者さんの不安や負担を少しでも減らすための工夫をしています。
プライバシーへの配慮
待合から個室を基本とし、他の患者さんと顔を合わせる時間を極力少なくしています。
スムーズな動線
医師と看護師が個室に伺うため、患者さんがあちこち移動する必要はありません。
鎮静剤の使用
ご希望の方は、眠っているような状態で苦痛なく検査を受けていただけます。
リカバリールーム
検査後は、専用のベッドでゆっくりお休みいただけます。
「仙台でお腹の調子が悪かったら、あそこに行けば安心」
そう思っていただけるよう、高度な医療技術と心休まる空間を提供いたします。
40歳を過ぎた方、お腹の不調が長引いて気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
引用文献
1. 宮城県保健福祉部健康推進課 がん・循環器病対策班. 令和7年度 宮城県生活習慣病検診指導管理協議会 大腸がん部会資料.
2. Zauber AG, Winawer SJ, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. N Engl J Med. 2012;366(8):687-96.
3. 大腸癌研究会. 大腸癌治療ガイドライン医師用2024年度版.(なお、患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版はこちら)