2026年3月03日

こんにちは。仙台駅前で消化器内視鏡と炎症性腸疾患(IBD)の専門診療を行っている「せんだい駅前 消化器IBDクリニック」院長の志賀 永嗣です。当院は、プライバシーに配慮した個室を多数ご用意し、リラックスして受診いただけるような環境を整えています。
「前回の大腸カメラ検査が地獄のように痛かった」
「腸が長いから(手術をしているから)痛いのは当たり前と言われた」
そのようなトラウマで、検診の再検査や定期受診から遠ざかっていたとしたら…
万が一にも進行がんで見つかったりしたら、悔やんでも悔やみきれませんよね。
さて、今日お話しするのは、誰もが一番聞きたいけれどなかなか聞きにくいテーマ。「大腸カメラ検査の痛み」についてです。
1. なぜ大腸カメラ検査中に「痛み」が出るのか?
大腸カメラ検査で痛みを感じる最大の原因は、カメラが腸を「押し広げて」しまうことにあります。
大腸は、お腹の中でブランコのように吊り下げられている部分があります。カメラを無理に押し進めようとすると、腸が引き伸ばされ、それを支えている膜(腸間膜:ちょうかんまく)も引っ張られます。これが、あのお腹を突き上げられるような強い痛みの正体です。
大腸カメラ検査では、「腸を畳み込みながら、最短距離で進む」のが基本です。これを軸保持短縮法(じくほじたんしゅくほう)と呼びます。
2. 「腸が長いから」「手術歴があるから」は言い訳?
前回の検査で痛い思いをした際、「あなたは腸が長いから痛いのは仕方ないね」と説明されたことはありませんか?
内視鏡専門医の目線から言わせていただくと、腸の長さや癒着(ゆちゃく:腸がほかの臓器にくっつくこと)が「痛みの原因」であることは、実はそれほど多くありません。
確かに、以前の手術により癒着していて、挿入が難しいケースは実在します。しかし、それは全体のほんの一部に過ぎません。
腸が長かったり癒着があっても、技術的に適切な「短縮」を行えば、強い痛みは最小限に抑えることが可能です。体質のせいにするのは、挿入技術の不足を隠す「言い訳」になってしまっている現実が(時には)あるのです。
3. どんな人が痛みを感じやすいのか
もちろん、以下のような方では、挿入の難易度が上がるのは事実です。
非常に痩せている方
お腹の中でカメラが逃げるスペースが少ないため
開腹手術の経験がある方
腸が癒着で固定されていて、違う方向に引き伸ばされやすいため
過去に強い痛みを感じた「トラウマ」がある方
緊張でお腹に力が入ってしまうため
だからこそ、「誰に対しても同じ挿入」ではなく、その方の腸の特性に合わせた「繊細なコントロール」を追求する必要があります。
4. 当院のこだわり:「眠っていても、丁寧な挿入」
当院では、患者さんのご希望に合わせて鎮静剤(ちんせいざい:眠り薬)を使用できます。
ここで大切なこととして、「眠っているから、多少無理に挿入しても大丈夫」などという考えは絶対に持たないということです。
たとえ眠っていて痛みを感じにくい状態であっても、無理な挿入(腸を引き伸ばす挿入)をすれば、血圧や心拍数に影響が出ますし、検査後にお腹の張りや不快感が強く残ってしまいます。また、眠りが浅くなるので、鎮静剤の使用も当然多くなってしまいます。
当院では、眠っていただいている間も、以下のような点を心がけています。
起きている時(鎮静剤無しの時)と同じように行う
常に腸管を短く保つような丁寧な挿入を行う
空気よりも吸収の早い炭酸ガスを使用する
また、早く終わらせることよりも、「見逃さないために十分な時間をかけて観察する」ことを重視しています。
まとめ
大腸カメラは、大腸がんを予防し、お腹の悩みを解決するための最強の武器です。その検査が「苦痛な思い出」になって足が遠のいてしまうことは、専門医として一番悲しいことです。
「前回の検査が辛かった」というお悩みをお持ちの方。
仙台駅前のリラックスできる環境で、安心・安全かつ「受けてよかった」と思えるような検査を目指してみませんか?
引用文献
1. Barclay RL, Vicari JJ, et al. Colonoscopic withdrawal times and adenoma detection during screening colonoscopy. N Engl J Med. 2006;355(24):2533-41.
2. Zhao S, Yang X, et al. Impact of 9-Minute Withdrawal Time on the Adenoma Detection Rate: A Multicenter Randomized Controlled Trial. Clin Gastroenterol Hepatol. 2022;20(2):e168-e181.