〒980-0021宮城県仙台市青葉区中央二丁目1番5号 青葉21ビル 3階
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急性胃腸炎
突然の激しい下痢や嘔吐、お腹の痛みに襲われた経験はありませんか？それはもしかしたら「急性胃腸炎」かもしれません。急性胃腸炎は、ウイルスや細菌の感染など、様々な原因で引き起こされる消化器の病気です。多くの場合、数日で自然に回復しますが、特に小さなお子さんやご高齢の方では、重度の脱水や合併症のリスクがあり、早期の適切な対応が重要です。
当院では、急性胃腸炎の正確な診断から、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療、さらに再発予防まで、一貫してサポートいたします。内視鏡専門医かつIBD専門医としての豊富な経験に基づき、一般的な胃腸炎はもちろんのこと、他の病気と鑑別が必要な場合でも、迅速かつ的確な診療を心がけております。
急性胃腸炎の症状は、突然現れることが特徴です。具体的な症状は、以下の通りです。
下痢
水のような便（水様便）や、粘液が混じった便（粘液便）が頻繁に出ます。
吐き気や嘔吐
食事が摂取できないほどの強い吐き気や嘔吐を繰り返します。
腹痛
お腹全体が張るような不快感（腹部膨満感）から、差し込むような強い痛みまで見られます。
発熱
微熱から高熱まで、原因によって発熱を伴うことがあります。
脱水症状
口の渇き、尿量の減少、全身のだるさ、めまいなどは注意が必要な症状であり、水分補給と早めの受診が不可欠です。
これらの症状が複数現れた場合は、急性胃腸炎の可能性が高いと考えられます。自己判断せず、早めに専門医にご相談ください。
急性胃腸炎は、原因によっていくつかの種類に分けられます。原因を特定することで、より適切な治療法を選択できるようになりますので、丁寧な問診を行います。
原因ウイルス
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。これらのウイルスは感染力が非常に強く、ごく少量でも感染が成立します。家庭内や学校、介護施設など、集団感染を引き起こしやすいのが特徴です。
感染経路
ウイルスに汚染された食品（特に二枚貝など）の摂取や、感染者の便や嘔吐物を介した接触感染によって広がります。
特徴
冬場に多く見られ、激しい下痢と嘔吐が主な症状です。
原因菌
カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌（O-157など）、腸炎ビブリオなどが挙げられます。
感染経路
加熱が不十分な肉（特に鶏肉）や卵、魚介類、生野菜などから感染します。
特徴
原因菌により、発熱や血便（便に血液が混じること）を伴うことがあり、ウイルス性胃腸炎よりも重篤化しやすい場合があります。
原因
細菌やウイルスそのものによる腸炎だけでなく、黄色ブドウ球菌が作る毒素、ボツリヌス菌が作る毒素、貝毒など、微生物が産生する毒素によって引き起こされる腸炎もあります。
特徴
毒素による食中毒の場合、潜伏期間（感染から発症するまでの時間）が非常に短いことが特徴で、食品を摂取して数時間で急激に症状が現れることがあります。
急性胃腸炎を診断するためには、症状や発症からの経過を詳しく伺う問診が重要です。そのほか、さらに原因を特定して適切な治療を行うために、以下のような検査を実施することがあります。
便培養検査
便の中に含まれる細菌やウイルスを同定する検査で、細菌性胃腸炎が疑われる場合に役立ちます。
迅速診断キット
ノロウイルスやロタウイルスなど、特定のウイルスを迅速に検出できるキットを使用することがあります。
血液検査
炎症や脱水の程度を評価し、電解質のバランスや腎機能なども確認できます。
内視鏡検査
他の消化器の病気（例えば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患）と鑑別が必要な場合や、重篤な合併症が疑われる場合など、大腸カメラ検査を行うことがあります。
当院では、仮に内視鏡検査まで必要な場合でも、内視鏡専門医かつIBD専門医が安全かつ正確な検査を実施できます。症状が強い時期ですので、体への負担を最小限に抑える工夫をしております。
急性胃腸炎の治療の基本は、胃腸や身体を休めること（安静）と、失われた水分や電解質を補給すること（水分補給）です。原因や症状に応じて、以下のような治療を行います。
安静
胃腸への負担を軽減するため、無理せず体を休めることが大切です。
水分補給
脱水を防ぐために、水・お茶・スポーツドリンクをこまめに摂取しましょう。電解質の補給に優れた経口補水液もおすすめです。吐き気や嘔吐がひどい場合は、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ何度も摂取するなどの工夫が必要です。
薬物療法
症状に応じて、下痢を和らげる整腸剤や、吐き気を和らげる制吐剤が処方されることがあります。下痢止め薬は病原体が体外に排出されるのを妨げる可能性があり、自己判断での使用は避けて、医師の指示に従ってください。
抗菌薬（抗生物質）
細菌性胃腸炎で症状が強い場合や、特定の菌が同定された場合には、抗菌薬が処方されることがあります。ウイルス性胃腸炎には効果がありません。
胃腸に優しい食事から徐々に再開します。
吐き気などで食事が摂れない場合は、点滴で水分や栄養を補給することが重要です
当院では、一人ひとりの症状や状態をきめ細かく観察し、最も効果的な治療をご提案いたします。
急性胃腸炎は、日常生活の中で少し注意するだけで、感染のリスクを大きく減らすことができます。感染力が強いウイルス性胃腸炎や、食中毒の原因となる細菌性胃腸炎の予防には、以下の予防策を実践してみましょう。
外出後、調理の前後、食事の前、トイレの後、汚物処理の後など、石けんと流水で丁寧に手洗いをしましょう。指の間や爪の先までしっかり洗うことが大切です。アルコール消毒は一部のウイルス（ノロウイルスなど）には効果が弱いため、手洗いが最も重要です。
生肉や魚介類は十分に加熱調理しましょう。中心部まで火がしっかり通っていることを確認してください。調理器具（まな板、包丁など）は、生肉や魚介類用とそれ以外とで使い分け、使用後に熱湯や次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。また、冷蔵庫での保存を徹底し、調理済みの食品は早めに食べきりましょう。
家族や職場で感染者が出た場合は、タオルの共有を避け、食器も別にするなど、接触を最小限に抑える工夫が必要です。感染者の便や嘔吐物を処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを着用し、処理後は手洗いと消毒を徹底しましょう。汚れた場所は、次亜塩素酸ナトリウム希釈液で拭き取り消毒します。症状が治まっても、便からはしばらくウイルスが排出され続けますので、手洗いなどの感染対策を継続しましょう。
市販の整腸剤や下痢止めを自己判断で使用するのは、注意が必要です。特に感染性の胃腸炎の場合、下痢は体内のウイルスや細菌を排出するための防御反応であり、安易に下痢を止めることで病原体が体内に留まり、かえって症状が悪化する可能性があります。胃腸炎以外の重篤な病気が隠れている可能性も否定できません。まずは当院のような消化器専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。
急性胃腸炎から回復するまでの期間は、原因や重症度、個人の免疫力によって異なります。一般的には、ウイルス性胃腸炎であれば、数日から1週間程度で自然に軽快することが多いです。細菌性胃腸炎の場合は、もう少し時間がかかったり、抗菌薬による治療が必要になることもあります。症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに医療機関を受診してください。
はい、原因となる病原体によって潜伏期間が異なります。
ストレスが直接的に急性胃腸炎の原因となるわけではありません。しかし、ストレスは自律神経のバランスを乱し、胃腸の働きに影響を与えることがあります。胃腸の働きが低下したり、免疫力が低下することで、感染症にかかりやすくなり、症状もより重篤になる可能性は考えられます。
高熱がなく、体力が消耗していなければ、シャワー程度は問題ありません。お湯に浸かる入浴は、体力を消耗させたり脱水症状を悪化させる可能性もあるため、症状が落ち着くまでは控えるのが賢明です。また、家族に感染させてしまう可能性があるため、入浴は最後にしたり、シャワーで済ませるなどの配慮も必要です。
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